NPEと電子証拠開示(eDiscovery) その2

全てのNPEが、被告側に非常に膨大な情報開示請求をして戦術的な優位を取るというわけではありません。NPE裁判では弁護士は成功報酬型で裁判を受けることが多く、そういった成功報酬型の弁護士はなるべく投入時間を少なくして、裁判からのリターンを得ようとします。弁護士は膨大な文書開示請求をすると、自分が投入しないといけない時間が猛烈に増えるということを知っているので、NPE訴訟の弁護士は、裁判所で情報開示の範囲を争う一方で、その文書を集め精査する時間も考えるといった合理的なアプローチを取ることが多いのです。

NPEの原告が文書開示にどれくらい攻撃的に来るかどうかにかかわらず、裁判所は全ての訴訟において、訴訟に関連があると思われる文書の特定と収集を最低限行う手続きを義務付けてきます。裁判所は最近ますます、特許訴訟の被告側が、訴訟に関連する文書の特定と収集を完全にまた厳密に実施することを想定するようになってきています。この手続自体それ自体を正確に文書化することが必要になっています。裁判所は手続きが不備なことを発見すると、その当事者側に厳しい制裁を加えます。
ともかくいかなる種類の文書も電子的な記録も破壊されないということが重要で、これは裁判が実際に始まった場合はもちろんですが、始まるかもしれないという時点でそうです。文書や記録の破棄は完全に文書化された手続きで、その文書が訴訟に全く関係ないということを示す必要があります。係争中の訴訟について意図的に文書を破壊したと思われる当事者に対して、裁判所は最も厳しい制裁を加えます。このような場合には、裁判所は、一方当事者からの破壊された文書は相手側を助けるものではなかったとする主張には、ほとんど全く考慮を払いません。裁判所がその文書自体を確認できないため、最悪の場合を裁判所は想定するのが普通です。裁判所はこのような場合に、大きな制裁金を科してきており、その金額は数百、数千ドルや数百万ドルになっています。また同時に陪審に対して文書開示について不利に取り扱うように裁判所は指示します。この陪審への指示は、通常、破壊された文書は訴訟に関係があり、陪審は破壊があったことによって、その文書は被告にとって不利だったと推定して良いというものです。
文書開示の適切性や文書破壊といった論点が裁判で出るのは、被告側にとって良い知らせであることはまずありません。文書開示や文書破壊の論点が一義的となり、特許侵害の申し立てに実際の意味があるかどうかは二の次になり、たとえ被告側に強力な防衛材料があったとしても訴訟に負けることにつながるのです。