NPEと電子証拠開示(eDiscovery) その3

適切な文書保管や文書開示の手続きをどう考えたら良いかという問題はそれだけで重要なテーマですが、米国での知財訴訟の電子証拠開示で、証拠開示手続き自体が訴訟での問題とならないようにするには、文書破棄の適切な手順を理解しておくことが大事です。

  • 罰則なしで電子証拠開示の経費を節約する為には、訴訟が発生する前に、文書の破棄・保存規程を作るのが最善です。米国で特許侵害訴訟に現在直面していなければ、今が会社の文書保管規程を見直す最善の時期です。経験を積んだ弁護士、理想的には特許訴訟や電子文書開示の問題で良く名前が挙げられる弁護士と一緒に実行すべきです。特許侵害訴訟や他の訴訟が起きそうでなければ、会社が保存している不要な文書は破棄すべきです。
  • 過去の電子メールの保管を制限するような手続きも検討します。例えば、電子メールは一定の期限後に全て(保管の為に特別に指定されたもの以外)破棄するというポリシーがあれば、いつか将来の訴訟で開示されるはずだった数百件、数千件、場合によっては数百万件の文書を消去することが出来ます。文書保管用のストレージが適切に消去されるような電子システムを持っている会社にとっては、訴訟が起きた時の文書開示の経費だけで数万ドルを節約できます。
    更に、過去の電子メールを体系的に破棄することで、開示された電子メールの中で、訴訟と関係のない状況での電子メールを被告会社に対して原告が使ってくるというようなリスクを最小化できます。大部分の会社従業員は、例えば、特定の製品特徴をほとんど全く重要と思っていないかもしれなくても、一人の従業員が(会社を辞めた従業員であるかもしれません)、その機能は会社に利益をもたらし、会社の製品にとってとても重要だという一通の電子メールを6年前に書いているかもしれないのです。
    その状況では、1ダースの他の従業員が証人台に立って、その一人の従業員は間違っていると証言したとしても関係なく、その一人の従業員の電子メールが、狡猾な相手方の手に渡れば、会社が実際どのようにその技術を考えていたかの動かぬ証拠として取り扱われてしまうのです。つまり、一旦裁判が始まった後に、そのような損害を与える電子メールを消去すると、極めて悪い結果をもたらしますが、電子メールが通常の電子メール破棄ポリシーに従って、訴訟が起きそうな状況でない時に消去された場合には、電子メールの消去で悪い結果となることはありません。