電子証拠開示と文書保管規定

企業は通常、文書保管規程を有しています。しかし、会社がその文書保管規定を本当に実施するように資源を投下していなければ、文書保管規程は単に文書中に存在するだけで、実際のものではありません。一旦米国で特許訴訟が始まると、文書保管規程があったとしても、そこから実際の実施を開始するのでは手遅れです。
別の投稿にも記述したとおり、電子証拠開示の手続きでは、文書破棄には極めて厳しい制裁が課せられます。そのため、文書保管規程は従業員に周知されているだけでなく、実際に定期的に細かく運用されているようにしないといけません。
文書保管規程が導入されている場合でも、その実施手続きが中断されるような突発事件に注意する必要があります。例えば、会社が別の会社やその事業部門を買収したような場合に、買収された組織の従業員は、文書保管規程を知りません。多くの文書がおそらく買収の過程で買収会社に移ってきます。被買収組織の従業員にはすぐに会社の文書保管規程に基づいた正しい文書保管の方法について訓練を受けさせる必要があります。更に、被買収組織から来る文書は文書保管規定に従ってすぐに処理されなくてはいけません。訴訟が起きてから、当該買収での手続きや買収された組織自体が文書規程に則していないということがわかるという状況は問題です。その時点で文書破棄ポリシーの実行を始めるのは手遅れだからです。